院長のブログ
病原性レプトスピラとは?
夏になると、川遊びやキャンプ、マリンレジャーなど、自然の中で過ごす機会が増えます。
その一方で、この時期に注意したい感染症の一つが「レプトスピラ症」です。
日本では患者数は多くありませんが、毎年感染例が報告されており、重症化すると命に関わることもあります。
今回は病原性レプトスピラについて、原因や症状についてご紹介します。
【病原性レプトスピラとは?】
レプトスピラは、らせん状をした細菌(スピロヘータ)の仲間です。
その中でも人や動物に病気を引き起こすものを「病原性レプトスピラ」と呼びます。
この細菌は、ネズミ、イヌ、ウシ、ブタ、イノシシなどの動物の腎臓に住み着き、尿とともに排出されます。
菌を含んだ尿によって汚染された水や泥に人が触れることで感染します。
【どのように感染する?】
感染経路は、皮膚の小さな傷、目・口・鼻などの粘膜から菌が侵入することです。
✔️河川での川遊びや沢登り
✔️キャニオニングやカヌー
✔️水田での農作業
✔️豪雨や台風後の泥水の片付け
✔️下水道作業
一般的な海水浴で感染する可能性は低いとされています。
レプトスピラは塩分に弱いため、海水中では長く生存できません。
ただし、河口付近や大雨の後に淡水が流れ込んだ海では注意が必要です。
【日本でも感染する?】
はい、日本でも毎年感染例が報告されています。
特に沖縄県では河川レジャーによる感染が多く、国内報告例の多くを占めています。
本州でも豪雨災害後の浸水地域などで感染例が報告されており、決して沖縄だけの病気ではありません。
【発熱はいつ起こる?】
潜伏期間は2〜30日で、多くは5〜14日程度です。
感染してすぐ症状が出るわけではありません。
例えば日曜日に川遊びをした場合、数日間は元気に過ごし、その後突然39℃前後の高熱が出ることがあります。
レプトスピラ症の特徴は、「急に高熱が出る」ことです。
✔️38〜40℃の発熱
✔️ふくらはぎの強い筋肉痛です。
✔️結膜充血(白目が赤くなる)
レプトスピラが血液を介して全身へ広がることで、小さな血管に炎症が起こり、その結果として白目が赤くなります。
そのため、感染が足の傷口からだったとしても、目が赤くなることがあります。
【重症化するとどうなる?】
軽症で改善する人もいますが、一部では「ワイル病」と呼ばれる重症型へ進行します。
この場合は、入院治療が必要になることがあります。
治療は、抗菌薬治療が有効であり、早期に開始するほど回復しやすいことが知られています。
予防の基本は、汚染された水との接触を避けることです。
✔️川や泥水に入る際は長靴や手袋を着用する
✔️傷がある場合は川遊びを控える
✔️レジャー後は石けんでしっかり体を洗う
✔️豪雨後の河川や泥水には不用意に近づかない
これらを心掛けることで感染リスクを減らすことができます。
「数日前に川遊びをした」
「突然39℃近い高熱が出た」
「ふくらはぎが異常に痛い」
「目が赤い」
といった症状がそろっている場合は、単なる筋肉痛や夏風邪ではなく、レプトスピラ症の可能性も考えましょう。
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