院長のブログ
「急性頭蓋内血腫」とは。
頭部外傷によって頭蓋内で出血が起こり血のかたまりを形成したものです。
●脳内出血
脳の内部に生じたものです。
アスピリンや抗凝固薬を服用している方は注意しましょう。
特に高齢者ではちょっとした頭部の外傷でも血腫が生じるリスクが増加します。
多くは急激に発症して、数分以内に症状が現れます。
大きな血腫は脳を圧迫し、脳の腫れや脳ヘルニアを引き起こします。
脳ヘルニアが起きると意識消失、体の片側もしくは両側の麻痺、昏睡、呼吸困難、心拍数の低下などが生じ、死に至ることがあります。
早急に対処が必要なケースです。
●硬膜下出血
脳を覆っている髄膜の一番外側の層と真ん中の層との間にある静脈からの出血によって起こります。
・ 急性：外傷後数分から数時間で症状が出る
・亜急性：数時間から数日かけて症状が出る
・ 慢性 ：数週間から数ヶ月または数年かけて徐々に症状が現れる
認知症のような症状のある方で、実は認知症ではなく硬膜下血腫が生じていたケースがあるそうです。
●硬膜外出血
頭蓋骨と脳を覆う髄膜の一番外側の層との間にある動脈や太い静脈から出血することによって起こります。
多くは頭蓋骨骨折によって血管が破れることで起こります。
外傷の直後や数時間経ってから重度の頭痛が起きます。
ときに、頭痛が一旦治って数時間後にさらに悪化してぶり返すといったこともあります。（セカンドアタック）
その後すぐに眠気、錯乱、深い昏睡などの意識状態の悪化がみられることもあります。
損傷を受けた脳の領域に応じて、血腫とは反対側の体に麻痺、発話・言語能力の障害などの症状が現れます。
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