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「植物状態」とは?

遷延性意識障害とも言います。

頭部外傷による重度の損傷と、心停止や呼吸停止などで脳への酸素供給が絶たれたことによって起こります。

ただし、脳損傷が生じる疾患はすべて植物状態の原因になります。

脳死と植物状態は全くの別物なんです。

どちらも大脳が働かない状態にあるので、寝たきりで話をすることも聞くこともできません。

しかし植物状態にある方は脳幹は働いているので、そこから心臓に命令を出して自分で呼吸ができて血液を体に送ったりすることもできます。

そのため植物状態になっていても治療を続けることにより、目を覚ましたり回復するケースもあります。

これに対して脳死状態の方は脳の全ての機能が働いていないので、どんなに治療を頑張っても元に戻ることはありません。

平均3年程度の余命と言われていますが、10年以上生きる患者さんも少なくないそうです。

 

「植物」とは、植物のように動かないということではなく、植物性機能だけが働いていて、動物性機能だけが働いていない状態のこと。

このような状態を1972年以降、植物状態と言うようになったそうです。

1972年の日本脳神経外科学会による定義によると

・自力移動が不可能

・自力摂食が不可能

・糞尿失禁状態にある

・声を出しても意味のある発語が不可能

・眼を開く、手を握るなどの簡単な命令にはかろうじて応じることもあるが、それ以上の意思疎通は不可能

・眼球はかろうじて物を追っても認識はできない

以上の6項目が、治療にも関わらず3ヶ月以上続いた場合を遷延性意識障害「植物状態」とみなす、となっています。

 

 

 


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