院長のブログ
後縦靭帯骨化症とは?
「後縦靱帯骨化症(OPLL)とは?」
後縦靱帯骨化症(OPLL)は、背骨の中でも脊髄のすぐ前にある後縦靱帯が、年齢や体質、姿勢ストレスなどを背景として徐々に骨のように硬くなっていく病気です。骨化が進むと脊髄や神経を圧迫し、しびれ、痛み、歩行の変化など、さまざまな神経症状を引き起こします。日本や東アジアに多い疾患で、特に40〜60代の男性に多くみられる傾向があります。この病気の特徴は、症状がゆっくり進行する人が多い一方で、進行スピードには個人差が非常に大きいという点です。
「初期症状:最初のサインは「なんとなくの違和感」
OPLLの初期症状は非常に軽いため、肩こりや疲労と誤認されやすいことが特徴です。もっとも多いのが首や肩のこり、重だるさです。後縦靱帯が硬くなり始めることで、首の動きに引っかかり感や重さを感じることがあります。また、手や腕に軽いしびれが出ることもあり、特に圧迫が起きやすい部分が 第5〜7頚神経が多いことから親指〜中指の範囲に「ピリピリ」「冷えるようなジーンとする感覚」を訴える方が多く見られます。さらに、手先の細かい作業に少しだけ不器用さを感じる場合があります。ボタンが留めにくい、ペンを握ると疲れやすい、箸の操作が以前よりぎこちないといった変化です。ただし、この段階では症状があいまいであるため、多くの人が病院に行かず、数年以上放置されることもよくあります。
「中等度の症状」
骨化が進んで脊髄や神経の圧迫が強くなると、症状はよりはっきりとしてきます。まず顕著になるのが手の細かい動作の障害です。ボタンが明らかに留めづらい、箸を使うのが難しい、ペットボトルのキャップが強く感じるなど、日常生活に支障が出始めます。しびれも持続的になり、手だけでなく腕全体や肩まで広がることがあります。また首を後ろに反らすとしびれが強くなるなど、姿勢によって症状が悪化することもあります。この段階で多くの患者さんが気づき始めるのが「歩行の変化」です。足がつっぱる、つまずきやすい、階段でバランスを崩すなど、脊髄症の初期サインが見られます。感覚異常も進行し、触った感覚が鈍い、温度の区別がつきにくいといった症状も出現します。
「高度の症状」
さらに進むと、歩行障害が目立ちます。足が棒のように感じたり、足が上がらず引っかかりやすくなったり、長距離を歩けなくなったりします。歩行がヨロヨロする、まっすぐ歩けないといった症状は、脊髄の圧迫がかなり進行したサインです。手足の筋力低下が進み、握力の低下や足が持ち上がりにくい状態が続くと、生活に大きな支障が生じます。さらに進行した場合には排尿・排便の障害が現れることもあります。尿が出にくい、残尿感がある、トイレに行く回数が増える、便秘や便失禁などの変化は、脊髄中心部が強く圧迫されている重篤な状態であり、早急な医療介入が必要になります。
「進行スピード」
OPLLは「ゆっくり進行する病気」というイメージがあります。実際、多くの患者さんは数年〜数十年かけてゆっくり症状が悪化します。一般的には骨化は年間1mm程度の進行とされており、初期症状から高度の脊髄症に至るまで、長期間を経て変化していくケースが多いのが特徴です。しかし重要なのは、骨化の進行スピードと症状の進行は必ずしも一致しない点です。骨化が大きくても症状がほとんど出ない人もいれば、小さな骨化でも脊髄の真ん前に位置すると急に症状が進むことがあります。初期から中等度症状までは3〜10年ほどかけて進む人が多いですが、脊髄症状(歩行障害・筋力低下)が出始めると、進行がやや早くなる傾向があります。特に、手の動かしづらさや歩行の変化が出た段階では、数年単位で悪化するケースが増えます。さらに、まれではありますが、1〜2年で急速に進む“急進型”も存在します。これは、骨化の位置が脊髄中央部に強く当たっている場合や、転倒・むち打ちなどの外傷をきっかけに症状が一気に悪化するケースです。このため、生活指導や転倒予防は非常に重要となります。
★野毛整骨院の場所★
住所:神奈川県横浜市中区吉田町64-1
吉田町名店街の吉田町本通り沿いにあります。老舗鶏肉専門店「梅や」さんの向い、ミニストップの隣です。
桜木町駅と関内駅、日ノ出町駅と馬車道駅を結んだちょうど真ん中、大岡川沿い都橋からすぐの場所です。
横浜市庁舎、伊勢佐木モールからも徒歩圏内です。
★交通事故治療★
当院では交通事故によるケガの治療も行っています。(自賠責保険)
交通事故によるトラブルについては「無料で相談できる弁護士さん」を紹介することも可能です。
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